企業内で管理監督者向けのメンタルヘルス研修会をさせていただく
と、「部下のメンタルヘルスは私たちがみるとしても、私たち自身
のメンタルヘルスはだれが面倒みてくれるんだよ」と、なかば皮肉
交じりでご意見をいただくことがあります。...
産業精神保健16巻4号の北條先生の論文に、この件に関して興味
深い調査結果が出ていましたので、ここでご紹介させていただけれ
ばと思います。
まず、「職位によるストレス構造の違い」では、職位別にストレス
要因をみており、「仕事のコントロール度」「仕事の適性」「対人
関係」などで一般職が、「同僚のサポート」と「量的負担」では管
理監督者がより強いストレスを感じているという結果が出ていまし
た。さらに、対人関係だけを見てみると、一般職では「部署内の(
縦断的)関係」が挙げられているのに対し、管理監督者では「部署
間の(横断的)関係」が重要なストレス要因としてあげられている
とのことです。
また、ストレスを受けた際の対処行動についての調査結果では、管
理監督者では「受動・回避的対処」と抑うつ感に中程度の相関関係
がみられ、「受動・回避的対処」とストレス反応、特に抑うつ感が
結びつきやすいとの結果です。「受動・回避的対処」とは、飲酒や
ギャンブルなどによる逃避的なストレス対処行動とされています。
一般には、問題を根本から解決しようとする「積極的・論理的対処
」や趣味やリラクセーションなど余暇活動の積極的利用である「セ
ルフケア」、また、自分にとって重要な他者から得られる「ソーシ
ャルサポート」などの対処行動が増加することが、抑うつ感を低下
させると理解されています。
つまり、管理監督者自身へのメンタルヘルスケアとして考えるべき
は、まず、「受動・回避的ストレス対処」が自分の抑うつ度を高め
る可能性を認識し、「積極的・論理的対処」「セルフケア」「ソー
シャルサポート」を積極的に取り入れ活用すること。
次に、部署間の横断的な対人関係もストレス要因になることを理解
し、部署内の人間関係だけでなく部署間の交流にも意識すること。
が必要ではないか、と提言されています。
一般職とは違った側面から、ケアが必要ということがよくわかる
結果だと思いますが、いかがでしょうか。
次回は「上司からのサポート」について考えてみたいと思います。
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