先日、関西福祉科学大学EAP研究所が主催する「こころの健康と経
営戦略」というフォーラムに参加させていただきました。
「経営の視点からメンタルヘルス対策を考える」とのテーマで、
シンポジウムでは、大企業の産業医、EAPプロバイダー、企業関係
者などが議論を交わしていました。...
あるべきEAPの姿として、産業医大ソリューションズの亀田先生は
「EAPプロバイダーとしては、メンタルヘルス対策の全容を顧客企
業の人事部門が本当の意味で良く理解していないなら、一次予防か
ら三次予防の三段階と専門家の過不足を明らかにして、優先順位を
つけて、必要なものを適正な価格で提案しなければならない。
自社の強みだけを切り取って営業売上のためだけに販売することは
やめて、顧客企業の本質的なニーズに対応できるプロバイダーにな
るべく、能力向上を継続的に行わなくてはならない」
と述べられていました。私自身EAPプロバイダーと呼ばれるところで
仕事をしていた時は、たとえば、本業としてメンタルヘルスサービス
を行っていない企業が、体力を生かして、特定のサービス(相談サー
ビスなど)を非常に安い価格で提供していることに疑問を持っていま
した。
業界全体として、その価格に引きずられる形でディスカウントが進ん
でいったのです。
企業側でメンタルへルス対策の本質や全体像がよく理解されておらず
プロバイダ側でもサービスレベルの評価方法が確立されていない状況
が、このような事態を生んだ要因の一つだと思います。
業界全体で、サービスレベルの質の担保を考え始め、その取り組みが
動き始めているのは歓迎すべきことなのだと思います。
私たちヒューマン・タッチは、自分たちのことをEAPプロバイダーとは
言いません。
最近も2社ほど新規にお客様からご依頼をいただきましたが、私たち
は中小企業を中心にお仕事させていただいています。
もちろん、定型的なサービスは用意していますが、一番大切なのはそ
の企業内で自律的にメンタルヘルス対策が取り組まれていくことだと
考えています。
ですから、企業内に労働安全衛生委員会などが設置されていればそこ
に出席し問題点の洗い出しから、必要な情報提供まで行っていきます。
メンタルヘルス推進委員会というようなものを設置させていただく場
合もあります。
中小企業においては、経営者の考え方がこのようなサービス導入に対
しては大きく影響します。ですから経営者への説明にも重点を置きま
す。
中小企業においては、今ある問題、それは休職者への対応であったり、
パワハラやセクハラについての教育であったり、相談体制の構築であ
ったり、がどうしても優先順位が高くなります。
メンタルヘルス対策をどのように位置づけるのか、も企業によってさ
まざまです。安全衛生の一環としてとらえるのか、独立した取り組み
としてとらえるのか。教科書的な理想を説いても、特に中小企業では
受け入れられないこともしばしばです。
こんなときには、まずは今ここにある問題を解決できる体制を敷いた
上でじっくりと信頼関係をつくり、その先をお話ししていくのだと感
じています。
このような仕事を何と呼ぶのかについては、私自身はあまりこだわっ
ていません。顧客のニーズに合い、結果を出せるものであればサービ
スを提供する意義はあると思っています。
ただ、上述したとおり、今後私たち自身もサービスの質を担保する努
力をより一層強めていかなければならないと感じています。その中で
業界の進める認証制度や登録制度も当然視野に入れていかなければな
らないのだと思っています。
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