先週コンサルティングにおうかがいしたお客様から、就業規則へ記
載すべき休職の事柄について、ご相談をいただきました。
そもそも、休職とは、社員としての身分を有したまま、定められた
期間、労務の提供を免除される仕組みです。以前にもここで書きま
したが、この意味は、従業員が私傷病や事故によって、労務の提供
ができなくなった場合に、すぐに解雇や退職とすることなく、一定
の期間、社員としての身分を保ったまま、治療に専念できるように
猶予期間として定められているものです。...
社員の生活の安定を図ることを目的としたものということですね。
休職は、労働安全衛生法や労働法に記載があるわけではありません。
だからこそ、会社の方針に従って決定し、就業規則に必ず記載して
おく必要がある事項です。
多くの就業規則では、休職について概要は触れられているものの、
詳細の規定、特に実際の運用面を考慮した部分が抜けていることが
多いのではないでしょうか。実運用の場面では、規則に記載がない
ケースでの対応に苦慮したり、ケースバイケースで規則を適応して
いる企業も見受けられます。
特に、メンタルヘルス不全による休職を考えた場合、従業員への会
社の対応については、他の従業員がよく見ています。「彼はあのよ
うな対応だったのに、彼女は違う」「あれだけごねれば、こんな対
応してもらえる」といったように、規則が定まっていないがために
社員に誤ったメッセージを伝えてしまうこともあるでしょう。
では、メンタルヘルス不全に焦点を当てた時、就業規則に最低限記
載しておきたい事項には、どのようなものがあるでしょう。
■セカンドオピニオンの必要性を明記しているか
休職には、従業員からの休職の意思と、医師の診断書が必要になり
ます。主治医は通常、患者さんからの要望に対して診断書や意見書
を書くことになりますので、場合によっては、会社の指定する医師
や産業医の受診を命じることができるよう記載しておくとよいでし
ょう。
■労務の提供が不完全な社員に対して、休職させる旨をさだめてい
るか
メンタルヘルス不全による休職とその後の復職を考えた場合、出勤
と欠勤を繰り返す場面は容易に想像できます。
復職がうまくいかないのには必ず原因があります。まだ復職できる
体の状況ではなかったのか、会社側の環境調整が整っていないかっ
たのか、病気の再発によるものなのか、制限勤務がうまく機能して
いなかったのかなどなど、通常の私傷病による治療からの復職とは
その困難さが高いのは皆さんご存じのとおりです。
また、このような状況は社内の周りの人間にも影響を及ぼしかねま
せんし、本人のためにはしっかりとした休養が必要な場合もありま
す。
ですから「欠勤が○○日に及んだ場合に、休職とする」だけではな
く、「労務の提供が不完全であると判断した場合」も休職を命じる
ことができるように記載しておく必要があります。
■休職期間を会社の事情に合わせた形で設定しているか
休職期間について、どれぐらいの長さにすればよいかご相談を受け
るケースが多くなっています。会社の実情に合った期間ということ
になるのでしょうが、その際に考慮すべき点としては
・会社の規模(どれぐらい従業員を休ませておくことができるか)
・勤続年数に合わせた配慮
・傷病手当金の受給期間
・メンタルヘルス不全による休職を想定するか
などがあるでしょう。上記のうちどれを優先順位として高くするか
によって期間は変わってくるのだと思います。一般的にうつ病やス
トレス性の疾病は3カ月から半年の休養が必要と考えられています。
今後、このようなケースが増えることが予想される場合には、休職
期間が1か月というのでは、再検討する必要もあるでしょう。
また、休職期間は延長させればよいから、はじめは短めに規定して
おくという企業もありますが、休職期間の延長は、慎重に決定され
るべきと考えています。安易な延長は、本人のためにとっても会社
のためにとっても逆効果になる場合があると思うからです。
■休職期間の通算規則を設けているか
前述の通り、メンタルヘルス不全では休職復職を繰り返してしまう
ケースが多く見受けられます。このような場合、一定の要件を満た
す休職は通算される規定を設けることは必要なことですね。
■試用期間中の社員について
試用期間中の社員に対しては、休職を適用しないことを明記するほ
うが無難でしょう。
■休職期間中の対応について
可能であれば、会社としての原則、定期的な連絡をすることなどは
明記しておいたほうがよいと考えます。もちろん、ケースバイケー
スですが、適切な復職を考えた場合にも、会社側の休職中の従業員
の状況把握は必須と考えます。
みなさんの会社の就業規則はいかがでしょうか?
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