去る3月29日、日本産業精神保健学会のシンポジウムに参加してき
ました。日本ストレス学会との共催で「復職をめぐって」と題し
、基調講演ではスウェーデンのKerstin Ekberg教授による
「適応障害と復職支援」についてお話があり、続くシンポジウム
では、沖縄県立総合精神保健福祉センターの仲本先生、神奈川県
立保健福祉大学の松為先生、神田東クリニックの高野先生による
お話がありました。...
沖縄の精神保健福祉センターでの、うつ病デイケアの取り組みは
非常に有名で、その成功率の高さの秘訣についてお話をうかがう
ことができました。やはり、精神科医が中心となって、産業医や
会社との連携をきめ細やかに取り組んでいく必要がある、と述べ
ておられました。
松為先生からは、キャリアの考え方の大切さ、高野先生からはEAP
現場にいる精神科医としての活動についてご報告がありました。
日本における復職支援の第一人者の先生方ですので、非常に興味
深くお話をきいていたのですが、最も関心を引いた話題は、基調
講演のKerstin Ekberg教授の、「うつ病の症状からの回復と、復
職(部分的なもの完全なもの含む)は独立している」という、少
し衝撃的な研究結果の紹介でした。
この話題、非常に気になり、その後紹介されていた研究結果を取
り寄せ、論文を読んでみました。今日はその概要をお伝えしよう
と思います。
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業務起因性のある精神的な問題(不安障害、うつ病、バーンアウト
など)を有し、休業補償を受けている自営業者122人を、統制群(治
療的な取り組みなし:CG)と認知行動療法を行った群(:CBT)、そ
してCBTをベースに個人だけでなく、職場への介入も行った群(:CI)
の3群に分けて、介入前と介入後で、症状の軽減の度合いについて、
また復職までの期間について、その結果を測定した。
この結果、CI群においては他の2群に比べて、部分的もしくは完全
な復職までの期間が17日~30日短縮された。完全な復職に至っては
CI群は200日程度短縮された。精神的な問題、症状については、すべ
ての群で低下したことが明らかになった。
結果、CBTを受講している休職者は、できるだけ早い時期に復職させ
るべきであるとの示唆が得られた。
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翻訳には自信がないので、不十分な日本語かもしれません。ご容赦
ください。
とにかく、この研究は、「精神的な問題(不安障害、うつ病、バー
ンアウトなど)の回復具合は、復職の成功とは必ずしも関係してい
るわけではない。」といっているのです。うつ病デイケアや精神科
デイケアをベースに発達してきている「復職支援」の考え方が、と
もすれば足もとからゆらいでいる!?とまでは言いすぎでしょうが
私にとっては、あらためて「復職」に必要な要素は何かを考えさせ
られる経験でした。
病気を治すことと復職を成功させることは必ずしもイコールではな
い、とすれば、民間の機関である私たちが取り組むべき姿が少し見
えて来たようにも感じます。
ただ、日本においては、これらの病気と「自殺」の関連を軽視する
ことはできません。病気の特性と自殺率が高い現状、そしてエビデ
ンスのある治療法やプログラムの導入、といったことを配慮しなが
ら、必要とされる復職支援プログラムを構築していきたいと考えて
います。
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