前回の続きを書いてみました。メンタルヘルス入門「その3」です。
メンタルヘルス不全に陥って、長期の休職をせざるを得なくなった
従業員に対して、会社としては、どのような支援ができるのでしょ
うか。また、個人としてはどのような支援の選択肢があるのでしょ
うか。...
過去の2回のコラムでも書かせていただいたような理由から、「復
職支援」というくくりで、多くの支援体制が構築されるようになっ
てきました。公的な支援から、民間の支援までさまざまです。
代表的なものを以下にあげてみたいと思います。...
■高齢・障害者雇用支援機構「リワーク」事業
千葉県であれば、千葉障害者職業センター(http://www.jeed.or.jp/
jeed/location/chiiki/12_chiba.html)が実施しています。
(以下HPより抜粋)
『うつ病等により休職している方の職場復帰が円滑に進むよう、本人
と雇用事業主、主治医の同意のもとで支援を行います。
職場復帰に向けたプラン作り(リワークコーディネート)を行い、リ
ワークコーディネートで必要とされた方を対象に、ウオーミングアッ
ププログラム(リワーク支援)を実施しています。実施期間は対象者
の状況によりますが、概ね12週から16週程度で設定しています。事業
主の方に対しては、必要に応じて職場復帰時の仕事内容や労働条件等
の設定、配慮等について助言・援助します。』費用は原則かかりません。
■一部の精神保健福祉センター「うつ病リターンワークコース」
東京都立中部総合精神保健センター(http://www.fukushihoken.metr
o.tokyo.jp/chusou/faq/faq_02/index.html)の取り組みは有名です。
個人に対する精神科デイケアの一環であり、保険適用で費用は個人負
担となります。精神科リハビリの資源を生かして、精神面だけでなく
体力面でもケアを行い、復職をめざします。うつ病が対象者。
上記の2つは公的な機関がおこなっている「復職支援」です。多方面で
の研究結果や過去の取り組みの上に成り立っているプログラムであり、
かつ人・物・金もそろっているある意味贅沢なケアと言えるのではない
でしょうか。ただし、現状では利用については1カ月単位で待つことも
あります。また一度に利用できる人数も限られ、各地のセンターが提供
できる「復職支援」サービスは、民間のニーズからすれば非常に少ない
と言わざるを得ないのが現状でしょう。
このほかにも、次に示すような病院やNPOが行っているケアもあります。
■病院・医療施設での「復職支援」
東邦大学医療センター佐倉病院(http://www.lab.toho-u.ac.jp/med/
sakura/mentalhealth/guide/daycare.html)やメディカルケア虎の門
(http://www.medcare-tora.com/index.html)の取組など。保険適用
で個人負担。医療機関が行っている復職支援であり、集団での認知行
動療法的な取り組みから体を動かすプログラム、そして実際の就労環
境への適応を目指したプログラムなどから構成されています。医師と
の連携が容易で、プログラム自体の内容についても専門的なスタッフ
が充実していることが挙げられます。
■NPOでの「復職支援」
MDAJapan(http://www.mdajapan.net/old/modules/news/)など。
精神保健の専門家による心理教育・当事者&家族支援のためのグループで、
セルフケアを重視し、専門講師による講習会などもあり。個人負担。
そして、私たちのような一般企業がおこなっている「復職支援」サー
ビスがあります。
このようにさまざまな「復職支援」サービスがある中で、それらをあえ
てサービスの内容で分類してみると
・休職者個人に対する支援のみか、事業者側にも環境調整などを働きかける支援なのか
・集団によるプログラムなのか、個人単位のプログラムなのか
・主治医との連携がとれているのか、そうでないのか
・認知行動療法プログラムなど単一的なものか、運動や模擬職場訓練などを加えた複合的なものか
・費用は個人負担なのか、公的な負担なのか、企業負担なのか
「復職支援」のサービス内容については、確立されたものがきちんと
提示されているわけではありません。「うつ病」を扱う性質上、専門医
が主導すべきものであるという主張もありますし、「うつ病の回復と職
場復帰の成功はかならずしもリンクしていない」という主張もあります。
私自身は、少なくとも主治医との連携のもと、エビデンスの取れた内容
で、さまざまプログラムを加えた複合的な取り組みが必要と感じています。
また、うつ病に限らず、いわゆる「現代型のうつ病」などに対するプロ
グラムも構築していく必要があると感じています。
「復職支援」として多くの企業様と関わる中で感じることは、企業側へ
の働きかけも重要なポイントとなるということです。「復職支援」は休
職者の個人的な問題ととらえるよりは、「組織の問題を解決する好機」
ととらえたいところです。なぜならば、メンタルヘルス不全の裏側には、
企業の組織風土や働き方に問題がある場合が多いと思うからです。
少子高齢化が進む社会の中で企業のトップが、「健康配慮義務」を理解し
、社員をどのように位置付けて成長戦略を描いていくのか。まさにこれが
問われているのではないでしょうか。
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